アート映像における手影絵の実践研究 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成21年度卒業研究概要集] [平成21年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
安岡 広志 ゼミ 平成21年度卒業論文
アート映像における手影絵の実践研究
櫻井 理恵

光と物のあるところには、必ず影がある。物が動けば、また影も動く。人々の生活には「光」ばかりが求められ、そこから生まれる影は脇役でしかない。影をつくり出す物は必ず色や質感を持っている。影は黒くて質感がない。影というのは光のあたらぬ場所だから暗くて黒くみえる。しかしそこに「想像力」が加わることで、影から表情が見えてくる。両方の手や、身体を組み合わせていろいろな形をつくる影絵遊びは、この性質を応用したものだ。動物の形をさせた身体は、どんなに厚さを持っていようと、影はそれを平面で映し出す。その黒くて質感の無い影から何かが見えてくる力が「想像力」である。これは人間だけが持っている大切な力だ。影絵は遊びとしてだけでなく、浮かび上がるシルエットの美しさから、アートとしても用いられている。

そこで筆者は、数多く存在する手影絵の作り方や表現方法を詳しく知ることで、様々な場で活用される可能性を感じ、Flashを利用した手影絵のつくり方説明ソフトウェアを制作するに至った。

本研究では、手影絵のアート特性を述べた上で、Flashを利用して手影絵のつくり方を説明したソフトウェアの制作を行う。

第一章では影絵の歴史、第二章では影の特性研究、第三章ではアート作品としての表現、第四章ではFlashを利用した手影絵の作り方説明アプリケーションソフトウェア開発、第五章では制作物の解説、第六章でまとめとする。