近年日本では11年連続して3万人以上の自殺者総数を出している現状にある。本来自殺というものは苦痛からの逃避という考え方、そして自殺とは追い込まれた末の死という認識のもとで、近代において自殺という定義がなされていた。そもそも自殺とは何かしらの原因があり、つまり自殺者周辺の環境や、処理できない問題が発生した場合に精神が影響されることが多い。本論では自殺をするほど精神的に追い込まれた状態に変化した事態について、自殺を決意させるような影響に関して分析した。そして自殺を引き起こす場は本来の目的とは別の意味を持ち始めたことに始まっている。その影響の変化の例として、例えば駅を挙げることができる。本来の駅のプラットホームの使用目的は人や物資の運搬の場に過ぎない。しかし精神的に追い詰められている人間には目の前に死が存在する条件では、死に至らしめる条件となる、すなわち自殺を決意させるほどの影響が出ているのではないか。また自殺を連想させる場所としての情報の蓄積も原因の一つとも考えられる。ここでとりあげる情報の蓄積とは、メディアの印象の蓄積も意図角要因であると考えている。この蓄積は主メディアが様々な情報によって作られたものであり、自殺を考える上で決して見逃せない側面である。過去から現代にかけて、メディア(インターネット・書物・新聞等)が中心となって、自殺の起こりうる場所という情報が、社会に浸透していった結果が、衝動的自殺の潜在的な原因ではないかと考えられる。つまり自殺を連想させる場所に、自殺を決行させる衝動の原因があると言えてくる。つまり衝動性とは裏腹に、積み重ねた情報が蓄積していき、無意識に引き出された情報が生み出した衝動が、自死という感情が顕在化した結果なのでは無いだろうか。以上のように本論では衝動的自殺が分析された。