コンプレッサーとは、入力された信号が大きい場合にゲインを低く抑えるという動作をするため、この名称があるが、効果としてはレベルの低い音の成分を相対的に上げることができるため、音量をそろえてバランスをとるために必ずといっていいほど使用される処理技術である。コンプレッサーの働きを制御するパラメータは、しきい値(スレッショルド)、レシオ、アタックタイム、リリースタイムである。
本研究ではこれらの制御パラメータを持つコンプレッサーをプログラムとして構成し、それぞれの働きが音に対してどのような効果をもたらすか、実例をあげて分析を行った。
コンプレッサーの使い方で特に重要なのがしきい値の設定である。特に音楽のマスタリングを行う場合にはしきい値の設定には細かい調整が必要で、下げすぎると波形が大きく歪んでしまう。新しい音を作る場合には意図的に歪を作る使い方も行われる。今回作成したプログラムではこれらのパラメータによる影響を、波形と音の聞き比べによって評価することができた。