楽器や楽曲の中で使用される空間エフェクトとは、信号処理によりその音や楽曲が空間的に広がった印象を持たせることができるものである。空間エフェクトをかける仕組みには、信号合成方式とディレイ方式の2種類が存在している。
本研究は空間エフェクトの仕組みを理解するために、PureDataというソフトウェアを使用し、信号合成方式のコーラスの空間エフェクトパッチを作成した。
この方式はサンプリング音やシンセサイザなど、電子的な信号に効果を付加するときに用いられる。これに対しギターなどの楽器の生演奏には、信号を入力し遅延をかけ、遅延時間を変調するディレイ方式がとられている。
作成したパッチでシミュレーションを行い、コーラス効果が有効となる変調周波数や変調振幅などのパラメータの範囲を明らかにした。
生演奏に用いられるディレイ方式のシミュレーションについては今後検討していく必要がある。