急速な少子高齢化が進み、様々な社会経済情勢の変化に直面している。特に高齢者、障害者をはじめとする国民にとって、たとえ介助や支援が必要であっても、自分の持てる力を活用し、住み慣れた地域で安心して暮らすことが出来る豊かな社会を築くことは大切なことである。
「いつでもどこでもだれもが平等の立場・環境で暮らせるために」
この当たり前のように思えることが、実際にはそう簡単ではない。だれにも平等な暮らしを手に入れる権利はあるし、そんな社会を目指していくために、私たち一人一人が相手を思う気持ちを忘れてはいけない。そして多くの国民が利用する建築物、駅、公園、道路などの生活関連施設へのバリアフリー化整備を充実させていく必要がある。そして、高齢者や障害者などへの差別・偏見を取り除き、お互いの気持ちを尊重し支え合いながら暮らすことの出来る福祉のまちづくりの推進が必要不可欠となっている。
2002年のワールドカップ開催を契機に、幅広い福祉のまちづくりの推進が求められるようになった。こうした動きのおかげで公共施設整備におけるバリアフリー化意識が高まり、NPOなどによる地域での活動や専門家教育なども継続的に進められている。こういった理念や考えは「福祉のまちづくり条例」「ユニバーサルデザイン」「ハートビル法」などに結実している。
そこで論文のテーマとして、高齢者、障害者に重点を置いた課題研究に取り組むことにした。そこから、福祉全体というより大きなテーマに結び付けていこうと試みた。そして、この論文からどんなことでもいいので、私自身、人のために何ができるのか考えるきっかけにしていきたい。