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伊藤 敏朗 ゼミ 平成21年度卒業論文
インターネットTV『ユーカリEnjoyStyle すてきなユーカリ人』制作プロジェクトへの参加
松島 乙彦

本研究は、(株)高千穂ネットワーク(以下T-NETという)が実施しているインターネットTV「ユーカリEnjoy Style すてきなユーカリ人」の制作プロジェクトに、自主的なインターンシップ生として参加して、地域に密着した映像番組制作のあり方を学びながら、具体的な成果物(番組)をまとめたものである。

「ユーカリEnjoy Style すてきなユーカリ人」は、千葉県佐倉市のユーカリが丘を舞台に、地域の歴史や文化、祭りやイベント、特徴ある店などを紹介しつつ、そこに関わる人々の「まちづくりへの思い」にスポットを当てた番組で、インターネットを通じて毎月配信されている。今回のインターンシップでは、これまで(2009年12月まで)に公開された同シリーズ14本のうち、3本の制作に参画することとなった。

1本目は、日本舞踊鳳翔中村流の中村紫女華さんと門下生たちを取材し、公民館での練習風景の撮影やインタビューをおこなった。日本舞踊は手先から足先まで動きがあるので、全身が入る画角で撮影することに注意しながら撮影した。ただ、編集のことを考えずにカメラをまわしてしまい、番組としてのまとまりを欠くものになったのが反省点だった。

2本目は、ハロウィン祭りの仮装パレードのチームを紹介した。3名の方に一緒にインタビューしたためカメラワークに苦労しつつも、編集を考え、素材の撮り忘れがないよう留意しつつ収録した。場所は画廊の中でのインタビューだったが、視聴者から「画廊に飾ってある絵とハロウィンとの間に何の関係があるのか、その意図がわからなかった」という指摘を受け、インタビューの内容と背景との関係にも配慮しなくてはならいことを学んだ。

3本目はインテリアショップ「ギャラリーヌーベル」を紹介した。他の店では扱っていない不思議な商品を売っているのが特徴とのことで、商品の写真をインサートしながら番組を構成した。しかし画面の縦と横の比率が16:9の番組でありながら、インサート用の写真の画像を4:3で撮影してしまう失敗をした。

このように毎回、反省点のある制作活動ではあったが、ある期間中に三度にわたる取材体験をさせて頂けたことで、その都度、前作の反省を踏まえながらより良い作品づくりを目指して向上することができた。

この体験に際し、T-NET代表の中村正明氏からは、2つのテーマを与えられていた。1つは、「プロとは違う学生らしい視点の作品を制作すること」。2つめは、「視聴者にユーカリが丘の魅力が伝わること」であった。この2点を常に念頭において制作に挑んだが、集めた素材をテーマに沿ってまとめることには毎回苦労した。また、取材対象となる方とのコミュニケーションを深めることが、いかに大切かということを学んだ。

本研究で、ユーカリが丘の人々のあたたかさに触れるとともに、中村代表をはじめとするT-NETのスタッフが、「まちおこし」にかける情熱に感銘を受け、映像メディアが地域貢献に果たす役割には大きなものがあると考えるようになった。このようなとりくみがお手本になって、賑やかで元気のあるまちづくりが全国に拡がっていくことを祈ってやまない。