スケートボード・プローモーションビデオ『viva la sol』の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成21年度卒業研究概要集] [平成21年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成21年度卒業論文
スケートボード・プローモーションビデオ『viva la sol』の制作
五味 良太

この作品は、千葉市中央区のスケートボード店「SOL」からの依頼を受けて制作した、スケートボードのプロモーション・ビデオである。

「SOL」は、千葉市内では唯一のスケートボード専門店であり、スケートボードの販売のほか、子どもや初心者を対象とした体験教室を開催するなど、健全スポーツとしてのスケートボードの普及につとめている。本作はその一環として、同店をスポンサーとする4人のスケートボーダーと協力しながら、千葉県内のほか、東京、神奈川、山形、長野、沖縄などにロケして、スケートボーダーたちの姿を映像におさめ、番組としてまとめたものである。

撮影期間は、2008年12月から約1年間をかけて行った。路上で撮影したカットでは、ズームスピードやアングルを様々に変化させたり、スケートボードにカメラを乗せて移動撮影するなど工夫した。これに加えて、魚眼レンズを装着したカメラを持って自らスケートボードに乗って撮影したカットも多用し、躍動感の表現に努めた。撮影と並行して編集を進め、4人のメンバーごとに各々のパートにまとめていった。最終的な編集作業で、音楽と映像とのタイミングを合わせ、番組全体が見やすい流れとなるように構成した。スケートボードが疾走する映像の間には、メンバーたちのふとした表情や風景ショットなどもインサートして、プロモーション・ビデオとしての雰囲気の演出にこころがけた。

こうして約20分の作品が完成し、2009年12月5日に千葉市内にあるクラブハウス「DEEPA」にて試写会をおこなった。本作はDVD化して配布したほか、インターネット上の動画配信サイトにアップロードし、全国の人に見てもらえるようにした。DVD化に際しては、メニューやチャプター画面を設け、特典映像として、2008年の春から撮影していた舞浜スケートパークでのツアー映像も収録した。

本作の撮影のために各地を訪ねたが、最初に構想していたほどは数多くのスケートボーダーを撮影することができなかった。また、カメラは常に1台だったので、魚眼レンズでの撮影かロングショットかどちらかを撮るしかなく、カメラワークとしては単調になりがちだったことなどが反省点である。しかし本作の、スケートボードの楽しさを伝えるという狙いや、千葉や全国のスケートボーダーたちの競技技術の向上に役立つ映像番組を作るという目的は、ほぼ達成できたものと考えている。

この作品の制作を通して、スケートボードというスポーツを映像で表現することの楽しさや難しさを知った。スケートボードのある風景を追いかけて、いろいろな土地に出かけ、さまざまな年齢の人々と交流できたことで、スケートボードの多様な魅力をあらためて認識することができ、貴重な体験だった。