カメラ付携帯電話の進化とこれからのあり方に関する論考 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成21年度卒業研究概要集] [平成21年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成21年度卒業論文
カメラ付携帯電話の進化とこれからのあり方に関する論考
菅野 友洋

わが国では、カメラ機能を搭載した携帯電話が普及しており、カメラとしての高性能・高機能化が進んでいるだけでなく、カメラ機能を用いた新しい商用サービスもさまざま発達している。本論は、このようなカメラ付携帯電話の進化の過程や歴史、現在の多様な利用状況を調査し、これからの多機能情報端末のあり方について多面的に論考したものである。

最初に携帯電話が撮影機能を備えるに至った技術革新のプロセスをふりかえり、現在の製品はどこまで高性能化しているのか、広角レンズや面白い効果の得られるレンズなど、さまざまなカメラ付携帯の楽しみ方についても紹介する。

次に、カメラ付携帯の普及と進化が、どのような付加価値やマーケットを生みだしたのかについて、QRコードやバーコードリーダーを活用したサービスの実情について述べる。さらに、マスコミ報道にもカメラ付携帯による映像が容易に投稿されるようになったことで生じつつある変化、ウェザーニュースのように同時多数の協力者による空模様の観測画像を気象予報に用いる例など、社会インフラとしてのカメラ付携帯の意義をさぐる。いっぽうで盗撮被害などの社会問題が生じていることなどについても考察する。さらに諸外国の携帯電話事情についても調べ、わが国の携帯電話市場のあり方やその特殊性についても考える。

現在の携帯電話は、カメラ機能だけでなく、写真アルバムや音楽プレーヤー、携帯ゲーム機などの機能もあわせ持ち、人間どうしのコミュニケーションのあり方や個人の意識にも甚大な影響を持つにいたった多機能情報端末となっている。その未来の姿についても大胆に予想する。