本研究は、ゴルフのスイング動作が似ているドライバーとアイアンとでクラブが違うことによってどのような変化の違いが出てくるのか、比較、分析した。
被験者は東京情報大学に在学している大学生である。各クラブごとに5球ずつ打たせ、その中で最も良いとするショットをデータ分析に採用した。なお使用したクラブは、ドライバーが1W、アイアンは7Iである。
クラブヘッドの軌道を比較するとドライバー使用時のスイングの方が、大きくスイングしていたため、アイアン使用時よりもインパクトまで0.05秒かかった。また、インパクト時では、両クラブとも飛球線よりやや外側をとらえていた。さらに、ドライバー使用時では直線的にボールをインパクトしていなかったため、アイアン使用時よりもボールを正確にインパクトしていなかったと考えられる。重心の上下動では、ドライバー使用時の重心位置が-0.32秒のときに約89cmと最も高い位置にあった。また、-0.02秒のときに最も低い位置となる約82cmとアイアン使用時よりも変化した。肘角度変化では、ドライバー使用時の左肘はインパクト後に約40度曲げていた。これはアイアン使用時よりクラブを縦に振れていたことが影響したと考えられる。
実験結果からドライバー使用時の方がスイング動作の変化が大きかった。これは、クラブのシャフトの長さの違いが動作に大きな影響を及ぼしていると推測できる。