イメージトレーニングとは、座った状態などで目を閉じ、自分が運動している姿をイメージしながらフォームチェックや身体感覚維持のために行うものである。しかし、その発展形としてウェアーを着たり道具を持ったりして、イメージと共に身体を動かす方法が存在する。本研究では、限られた条件下でしか行えないスポーツの身体感覚維持を目的とし、家庭用スポーツゲームをイメージトレーニングの道具として使用した場合、トレーニングとして有効であるかを比較・分析した。実験は、スキー・スノーボード・ボウリング経験者各2名ずつを被験者とし、操作方法を説明した後にスポーツゲームをプレイさせ、その後インタビュー形式のアンケート調査を行った。結果は、スキーの場合、ストックがコントローラーに変わっていることや視点や視界、スピード感が実際とはほど遠く、トレーニングとして使用するのは難しい状況であった。また、ボウリングの場合も、ボールがコントローラーに変わったことにより重量感に違いが生じ、ボールの軌道に影響がでた。視界も実際より狭く、トレーニングとしては有効でないと判断された。しかし、スノーボードは、重心移動・操作性共に実際に近く、視界が若干狭く感じたものの、トレーニングとしての有効性が期待できた。今後は、被験者を増やし、さらにアンケート結果を数値化して分析することによって、イメージトレーニングとしての有効性がより正確なものとなるだろう。