本研究は、組体操競技を4種目被験者同士で行わせ、各被験者の重心位置観察と膝角度の関係性を、参考文献と合わせて比較、検討をした。
被験者は、大学生3名を対象にした。被験者3名ともに、小中学校で組体操を経験した程度である。被験者ABで「サボテン」、その他「山」「三人タワー」「飛行機」をそれぞれ被験者3名に行ってもらった。分析項目は、1)連続写真を使い合成重心の位置を色つきの円で点在させることによる重心観察2)三次元分析による各種目の膝角度変化を比較した。
連続写真では、合成重心が生体外部に存在している場合が見てとれる。また、合成重心の各被験者の関連性では、連続写真から被験者同士の合成重心が、各種目完成時に安定した位置にあることが分かり、被験者同士の各種目完成時の状態が参考文献の各種目の完成状態とほぼ一致していることがわかった。
各種目競技時の被験者同士の膝角度変化では、各種目の上段に位置する被験者は種目完成時、常に膝角度がほぼ180°であった。また、支えている側の被験者は種目完成時、膝角度がほぼ一定の角度で安定し、また複数人の場合は一定の角度で安定していることが読み取れた。
実験結果から、組体操種目の動きと重心移動の動きがバランスをとる上で重要、また膝角度と重心バランスの安定性もその中に深く関わっていると推測できる結果となった。