2PACというラッパーがなぜヒップホップ界において偉大な存在であるのかに焦点をあてた。2PACの疲れを知らない多くの仕事が、13年前に起きた悲劇の事件以降も姿を現している。その多くは彼の死とその周辺の状況を大々的に取り上げることに向けられている。そんな中で2PAC伝説の、最も不可解なミステリーの謎を解くことよりも、どのようにして1人のアーティストが、たった1人でこんなにも素晴らしい音楽を作り出せたのか、なぜ2PACが死後数年のうちに、男らしく挑発的なその一生を通じて、ヒップホップの音楽として幅を広げ、また文化としての方向性からも社会や芸術、哲学の面で、こんなにも革新的なインパクトを与えることができたのだろうか、ということに焦点を当てることが、2PACの真の姿、本質を探るために必要だと思った。
そこで、2PACの死に焦点を当てた先入観とは別に、彼が人生の大半を過ごしたスタジオでの等身大の仕事に焦点を当て、レコーディング方法に関することや、作詞・作曲やコラボレートプロセス、そして芸術的なパーソナリティから、歌に取り組む姿勢を研究することにした。