私は生まれてから多くの映像を観て育ってきた。それはブラウン管のテレビであったり、映画のスクリーン、パソコンの液晶ディスプレイなどの映像を映し出す媒体を介して視聴してきた。特にテレビというものは誰もが生活の一部分として利用している、またはいたのではないだろうか。近年の急速なインターネット普及に伴い、多くのサービスが生まれ、その中の一つにインターネットを利用した動画の配信がある。ネット動画ではニュースや映画、スポーツ、アニメなど多くのコンテンツの視聴がパソコンや携帯を介して可能になった。テレビの視聴率の低迷が騒がれている中、ネット動画の視聴は逆に増加傾向にある。インターネット配信される動画がテレビ視聴にどのような影響を与えるのかを知りたいと思い、私は「テレビ視聴」と「ネット動画視聴」を題材に考察した。
この論文では、インターネット配信される動画の始まりと普及、テレビ視聴の現状を既存のデータや資料を元に考えるとともに、実際に視聴利用してみて感じた利点・欠点などを挙げていく。そして、双方の特徴を活かすことができる新しい試みが今後どのような形で成されていくのかを明らかにしていく。今回、NHK放送文化研究所が調査し公表している「国民生活時間調査」のデータを主軸として考察していき、インターネットが普及する前と後では年齢別にどのような変化が見られるかを数値データとして利用した。
考察結果としては、高齢者の一日のテレビ視聴時間は明らかな増加傾向にあるが、若年層の視聴時間はそれ程の変化をデータから見てとることはできなかった。よってネット動画の出現によるテレビ離れはそれほど起こっていないことがわかった。今後、高齢者の方も参入できるようなテレビ番組作りを促進することが大切であり、老若男女問わず、一人一人が共通の関心が持てるテレビ番組の視聴が求められている。