現代では、うつ病はまれな病気ではない。なぜうつ病が増えているのか、うつ病とはそもそもどのような症状をさすのか、うつ病の人にどのように接したらよいのかを様々な臨床の書籍やインターネットで調べた。その結果を、『ツレがウツになりまして』という本を臨床例として当てはめていった、そこからうつ病患者に対しての距離のとり方について、「あたたかい無理解」という言葉を引き出した。うつ病の社会的諸要因について、この臨床例から関連させて論ずることはできなかったが、うつ病に限らず心の病をどのように理解するかは、競争と個人に特化した現代社会における新しい他者理解と仲間意識の養成につながるのではないかという感想を持った。