映像に合わせる効果音の製作技術を伝えていくビデオ制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成21年度卒業研究概要集] [平成21年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成21年度卒業論文
映像に合わせる効果音の製作技術を伝えていくビデオ制作
石塚 綾子

ラジオやテレビ、映画や演劇の舞台など、私達が普段見ている作品は、音響効果・効果音の使われているものがほとんどである。

映像、演劇作品は視覚効果が主として重要だが、会話などの音声と並んで、背景の環境音や感情の演出などに使われる効果音も重要である。コンピュータ技術が進化した現在、これらの効果音はサンプリングされた音や合成音などを用いて制作されると思われがちだが、実際は、その環境状況の音を生で録音したり、代用品を用いて似たような音を作り出して録音したり、舞台のその場で効果音を作って使うということが行われている。

過去の研究では、ディジタルの時代と呼ばれる現代においても、いまだに手作りの音が重要だということが述べられていたが、実際に録音してみるという事は行っていなかった。

そこで、手作りの音の録音方法を伝えていくために、特別な道具などを使うことなく、身近な道具を使って効果音を作り、その音作りの現場を撮影・編集して、録音方法の手引きとなるDVDを制作してみることにした。

今回は、ポリ袋をマイクに接近させて揉む火事の音、アルミ皿にインスタントコーヒーの粉を落とす雨の音、マイクに筆を強く擦り付ける雪の上を歩く足音の3種類を録音した。

身近な道具を使って効果音を実際に録音してみて改めてわかった事は、音だけでは何の音か分かりにくくとも、映像と共に聞かせることによってその音に聞こえてくるということである。しかし、映像に音を合わせるので、映像の場面と、音を聞いて想像する場面から受ける印象が違うと違和感を与えてしまうという問題があった。

今後の改善点としては、録音する音の選択においては、普段聞くことのある分かりやすい音を選ぶという事と、元の動画と音作りの時の映像などの順番について考える事、他にも音の種類を増やしていくという事である。

また、当初は雪の降る音を録音しようとしたが、雪の上を歩く足音のように聞こえたように、その音には聞こえないが違う音に聞こえることはあると思う。そのように新しい音を発見していく事も手作りの音の醍醐味である。いろいろな道具を使ってどんどん新しい音を発見していくという事も、手作りの音を伝えていく事に貢献していくだろう。