この論文では、コーヒーと言う一つの原料から貧困問題を解決するための術を見いだせるかどうか、を論じている。物流、輸出、貿易、加工、流通、これらの業者を介して私たちの元にやってくる物だが、これらの原料を生産している国の農民は十分な水準の生活ができていない。生産者の多くは貧しい生活を送り続け、一部の限られた人間だけが膨大な利益を得ている、という現状があるのだ。
第1章ではブラジルとベトナム、コーヒー生産においてはトップである二カ国の経済面をみていく。現在に至るまでの経済はコーヒーに依存していたのかをみていく。
第2章ではコーヒー危機と呼ばれた2002年のことについて論じる。国際取引の相場が暴落し、関係企業や生産者達がどのような状況におかれたのか。また、その時から6年経った現在はどうなっているのかにも触れている。
第3章では、生産者への救済策について論じる。国際機関が関係しているものもあれば、非政府団体が行っている活動もある。それらの有効性は果たしてどれほどのものなのか、どのような変化が起こったのかについて触れている。
最後に、現状から見た貧困問題を解決するための対策について提案している。