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柴 理子 ゼミ 平成20年度卒業論文
小林賢太郎作品にみる「面白さ」の追求
畠山 佳奈

私たちがテレビをつけると、バラエティやドラマ、ワイドショーなどのあらゆるジャンルの番組においてお笑いタレントや芸人と呼ばれるコメディアンが出演しているのを目にする。最近人気のある芸人は、俳優やモデルのように容姿端麗な「イケメン」を売りにしたり、多くは「あの芸人=あのキャッチフレーズ」というように、流行を視聴者に浸透させて人気を得ていく。

そんな「ショートスタイル(一発ギャグ)」で人気者になっていく芸人が多い中、「ラーメンズ」という芸人は専ら舞台活動を中心にしている。彼らはほとんどメディアに露出せずとも、チケットが即日完売になるほどの人気を得ている。テレビなどに出演すれば彼らのファンが喜ぶほか、より多くの視聴者に自身らを知ってもらうことができるはずだ。しかし、彼らは「芸人」として、ほとんどメディアへの露出はしない。「ラーメンズ」の一人、小林賢太郎の描くコントは芸術とも言える。相方である片桐仁は、小林のコント作品を、より深くインパクトのあるものにする。一見彼らの方向性は、デジタルな現代日本の流れに逆らうかのようにみえるが、作品にどのような面白さ・魅力があり人気を得ているのか。

1960年代の演芸ブームを皮切りに、「日本人の求める笑い」はどのように変容してきたかを探る。そして現代日本のエンターテインメント界における「ラーメンズ」の面白さと、彼らの位置づけを試みる。