いつの時代も姿・形を変え人々を魅了しているギャンブル。その種類は多様であるが、日本社会において最も広く行われていて、最大の市場を形成しているのがパチンコ・パチスロである。近年のパチンコ・パチスロはプロモーション活動をテレビCM等、多くの人が視聴する場面で行っている為、接する機会も当然多くなっている。しかし、その背景ではギャンブルに依存した事が原因で生活を破綻させたり、犯罪に手を出してしまうという問題がある。
本論は『人はなぜギャンブルに依存するのか』という事について考えるものであり、参考資料として文献から引用したギャンブル依存者のエピソード等を使用し、そこからギャンブルに依存する経緯を探っている。第一章では、ギャンブル依存症という言葉は知られていても、まだ広く認知されていないギャンブルに依存するという事はどの様な事なのかについてまとめた。第二章では、人はどうしてリスクを冒してまでギャンブルをするのかという事について考え、人がギャンブルをしている時、脳内で起こっている現象や、心理状態をまとめた。第三章では、親が幼子を車中に置き去りにする事件や、会社の金を横領し遊興費に使った等と報道されているこれらほとんどがギャンブルに関係していることから、これらの例を挙げ、ギャンブル依存者の生態についてまとめた。第四章では、ギャンブルを提供する側であるパチンコ業界がどの様な対応を行っているのかについて調べた。また、ギャンブル依存症になってしまうと自覚症状がないだけに踏み出すのが難しいとされている治療段階についてもまとめた。そして、結論に至る。