今日インターネットやテレビなどの出現により、「テレビで十分」、「インターネットで調べる事ができるからいらない」、「新聞は面白くない」などと言い、新聞を購読しない人々が増え始めた。そして、新聞の部数はどんどん減少してきている。2011年には、テレビ地上波の完全デジタル化が予定されている。数年後、テレビがネットにのみ込まれる。と予測している人もいる。もし、その予測通りになれば、その余波は新聞にも及ぶであろう。ついには、日本のメディアはすべてネット上に吸収されていくであろう。その時、新聞はメディア(媒体)という性格を失い、記事配信に後退せざるを得なくなるだろう。しかし、これはあくまでも予測であるが、ありえない話ではないだろう。
ここで本論は、本当に新聞は「なくなる」のか、それとも「なくならない」のか考えていきたいと思う。
論文の構成として、1章では、新聞が誕生してから今日みるような形式と内容をもった「近代新聞」に至ったのか。社会の政治的成熟、経済的発達、社会的変化、技術的進歩さまざまな条件に規定されて、各段階に応じた形態をとってきた新聞が各時代の求める機能を果たしてきたのかについて、第2章では、時代と一緒に歩んできた新聞がニューメディアの出現により、新聞にあたえた影響について、第3章では、ニューメディアが出現したことにより、新聞業界はどのように対策、対応、取り組みをとってきたのか、もしくは、これからとっていくのかについて述べる。