レゲエの陽気で神秘的なサウンドは心の反応を呼びおこすものだと筆者は思っている。
ゆっくりとうねり、ためらうようなビートではじまるレゲエ・ミュージックにはアフリカ、ジャマイカ、ソウル、自然、哀しみ、憎しみ、それに愛などのすべてが入り混じっているレゲエはエンターテイメントであり、同時に革命的なカルト表現でもある「反抗的音楽」なのである。
本論はレゲエ・ミュージックを生んだ思想として知られているジャマイカで誕生したラスタファリズムについて考察し、なぜレゲエはカルト的表現を用いているのか、レゲエがもつ真のカルト的次元までが世に知られるようになったのかを歌う予言者といわれるボブ・マーリーからも考察し、レゲエが「反抗的音楽」といわれる理由を述べたものである。
また、いまや世界中で歌われているレゲエ・ミュージックもまた、カルト的表現を用いる「反抗的音楽」として、レゲエを捉えているのかを世界各国のレゲエ・ミュージックから考察しレゲエ・ミュージックの本質を論じた。