サンプリングトラックを用いた簡易音楽制作に関する研究 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成20年度卒業研究概要集] [平成20年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
小泉 宣夫 ゼミ 平成20年度卒業論文
サンプリングトラックを用いた簡易音楽制作に関する研究
水澤 綾

コンピュータを用いた音楽制作には、サンプリングトラックを用いる方法が最近普及している。DTMをやりたいという人には、A「マルチメディア制作において音楽を入れざるを得ない」という人、B「趣味感覚で音楽制作を楽しみたい」という人、C「新しい音楽を作る」というような人がいる。この3つにタイプ分けをし、それぞれの目的・スキル・才能に応じて、サンプリングトラックという手法を用いたときの利点、留意すべき点を明らかにした。

Aタイプの「マルチメディアにおいて音楽を入れざるを得ない」という人に対しては、サンプリングトラックを用いた音楽制作は極めて有用な方法である。ただし、サンプリングトラックを用いた音楽制作だけでは、メロディアスな音楽を作ることが難しいという留意点がある。

Bタイプの「趣味感覚で音楽制作を楽しみたい」という人に対しては、「形を気にせず、まずはいろいろ触って楽しむこと。それから基本手順で曲作りをしていく。」という音楽制作ソフトの使い方を提案した。このタイプの利点は、音楽制作を簡単に、また楽しく体験することができ、今まで気付いていなかったクリエイティブな才能を見出せる可能性がある。ただし、使う目的が明確でない状態で始めてしまうと、スキルがない初心者にとっては、ある程度のところで行き詰まってしまい限界が見えてくるという問題もある。

Cタイプの「新しい音楽を作る」という人に対しては、サンプリング素材を用いる方法は選択肢の一つであり、打ち込みソフトなどと併用した制作環境を用意しない限り限界がある。