私たちは日常生活の中で様々な広告を目にし、無意識のうちに利用している。テレビで流れるコマーシャル、新聞・雑誌の広告欄、街へ出れば電車やバスなどに交通広告も見られるだろう。近年、若者のテレビ離れや新聞・雑誌の売り上げの低下が話題とされることが多くなった。これらマスメディアの衰退と共にその広告費も年々低下する傾向にある。そんな中ここ数年で急激に成長を遂げているメディアがインターネットだ。インターネット上で展開される広告の形態は、これまでの広告のありかたとは少し違った独特のスタイルを持っている。この広告メディアが何故ここまで成長を遂げたのか、これからの広告産業はどのような動きを見せるのかをデータから考察し、これを「マス広告とネット広告の未来」として論じた。
まず、マスメディア4媒体(テレビ、ラジオ、新聞、雑誌)とネット広告のこれまでの広告費の推移を比較した。各メディアの広告費をグラフとしてまとめ、変化を読み取るとともに、ネット広告がここまで普及してきた要因を考察した。インターネットを利用するための端末の契約数や普及率を調べ、近年の通信環境の変化や利用者層の推移など普及の要因を探った。また、ネット広告の種類とそれぞれの効果および料金形態について調査し、多種多様なネット広告のメリット、デメリットについて、コンテンツとの連動をはじめとしたそれぞれの広告の狙いと効果を考察した。最後にこれらの考察から得たものに基づいて、今後の広告産業のあり方を論じた。