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小宮山 隆 ゼミ 平成20年度卒業論文
地球シミュレータに見るスーパーコンピュータの可能性
伊東 寛晋

地球シミュレータが稼動を開始してから、7年が経とうとしている。2002年2月に稼動を開始した地球シミュレータであるが、その後、約3年間スーパーコンピュータのランキング、「Top500List」のトップを飾ることになる。また、ニューヨーク・タイムズ紙で「スプートニク・ショック」になぞらえた「コンピュートニク・ショック」と紹介され全米に衝撃をあたえた。

地球シミュレータをテーマに選んだのは2008年10月2日に稼動が停止されることを知ったからだ。600億円の費用を投じて作られた地球シミュレータが解体され新たに生まれかわる。では、それまでに何に使われ、どのような実績があったのか。地球シミュレータの登場により何が変わったのか。非常に気になった。

地球シミュレータは主に地球規模の環境変動のシミュレーション予測を行っている。それは、地球温暖化や地殻変動など多岐にわたっている。地球規模の環境変動のシミュレーションと言われてもぴんとこないだろうが、例えば、台風がいつどこにやってくるかが分かれば避難や対策をそれだけ早く行うことが出来、被害の軽減につながる。地震や地球温暖化などのシミュレーションもそうだ。それだけではなく、例えば自動車の衝突実験などを実際に行わずシミュレーションで済ませられれば、資源や時間の節約になり、コストを抑えることが出来る。

地球シミュレータを通じて、シミュレーションの有効性や可能性、それを可能にするスーパーコンピュータに用いられる技術について考察した。