これからのディスプレイに求められることを考察する為に、現行のテレビディスプレイの仕組みや長所・短所を調べた。ブラウン管テレビ、液晶テレビ、プラズマテレビ、有機ELテレビの4種類である。現在の日本では生産されなくなってしまったブラウン管テレビだが、コントラスト比は非常に高く視野角もいい。愛好家の間では最も高画質だと重宝されているが非常に重くスペースを取る。ハイビジョンブラウン管も開発され、従来の半分ほどの厚みの高精細テレビも開発されている。現在、主流として7〜8割ほどのシェアを占めているのが液晶テレビ。小型でも解像度を高くすることが可能で消費電力も抑えられる。液晶技術の向上や低価格競争もあって、生産・販売が急増した。ただ、応答速度が遅く動きの早い映像やゲームでは残像感があるが普段テレビを見る分には問題ないほどまで改良された。プラズマテレビはというと、応答速度は速く残像感はないのだが、小型化が難しく消費電力が大きい。大型化すればするほどコストは安くなるため、大型化に向いている。そして、今後主流になると思われる有機ELテレビ。非常に薄く持ち運び可能で、すでに携帯電話でも用いられている。応答速度やコントラストは問題なく液晶やプラズマよりも優れているため、将来性が期待される。
当面、薄型テレビの高画質化と省エネなどの環境性能の両立を可能にするディスプレイの開発が中心になるだろうが、その先には立体映像テレビの実現なども模索されている。