家庭内でのテレビによる情報の取得は、戦後白黒テレビからカラー、ハイビジョンと映像の質が高まる一方で、テレビゲームの出現により映像コンテンツの中に作り出された疑似世界を体験するにまで進歩してきた。また近年では、ネットワーク化により家庭に居ながらにしてこの疑似世界を多人数で同時に体験できる環境にまで進歩した。
一方、これらテレビゲームに長時間または長期間没頭するあまりに、体験者の生理的・心理的な面に何らかのマイナスの影響をあたえるものであるという見解や研究結果も出ている。そのひとつが「ゲーム脳」とよばれるものである。しかしながら、テレビゲームが人間の脳にマイナスの影響を与えるものであるかどうかの科学的根拠に裏付けされた見解をするにいたるまでには至っていない。
ゲームをすることに何のメリットも無いのか。また、ゲームを実際に他方面で活用している例はないのか。
本論文では、そのマイナスイメージを払拭し、ゲーム脳についての疑問点を述べる。