近年、業種業態の違いや規模の大小にかかわらず、企業のOA化や電算処理化はもはや当然のこととなってきている。マルチメディア時代といわれる昨今、不況下の中であっても企業は文字どおり生き残りをかけて情報化の波に乗ろうと必死である。
そんな中、成長をし続けてきたのがコンビニエンスストア業界である。この成長を支え続けてきた要因として、POSシステムが挙げられる。業界最大手のセブンイレブンが80年代前半のPOSシステム導入開始と同時に急成長していることからもうかがうことができる。
企業の情報戦略の形態は業種などの違いによって様々である。その中でも、POSシステムは小売業の高度情報ネットワークシステム化のインフラとしても注目されている。その背景には、POSのパソコン化における双方向化の実現がある。
本論文では、小売業、特にコンビニエンスストアを中心に導入が行われてきたPOSシステムに焦点をあて、どのような情報を集めることができ、企業(店舗)の経営にどのように活用することができるのかについて、また、それによってもたらされるメリットや問題点などを考察する。