本論文を執筆するきっかけとなったのは、大学3年時に指導教官の紹介により千葉県習志野市ウェブサイトの制作に携わる機会を与えていただいたことである。
年々インターネット利用者人口は増え続け、現在では日本の人口の約60%もの人々がインターネットと利用している。また、そこに携帯電話などのモバイル端末を含めると更に増加するであろう。そんな中、高齢者や心身にハンディキャップを持った人々のインターネット利用者も増えつつある。自治体ウェブサイトは、企業ウェブサイトと異なり「商品情報」ではなく「市民への生活情報」を中心に、それを迅速に伝えるために存在しているといっていいだろうから、利用者の立場を考え市民に平等に情報を提供するためにも『情報のバリアフリー』とも言えるウェブアクセシビリティを強化し、それに配慮したウェブサイトにしていかなければならない。
本論文では1章でウェブサイトにおけるアクセシビリティの必要性を、2章では自治体ウェブサイト作成現場の実態を自分自身が経験した事実に基づき述べようと思う。3章ではアクセシビリティに配慮したサイト構築をするための実践方法、そしてCMS(Contents Management System)の導入は今後のウェブサイト運営にどのような影響をもたらすのかを検証する。4章では結論として自治体ウェブサイトのアクセシビリティへの取り組みについて今後の動向を考察する。