映像の伝播とその社会的影響に関する研究-メディアの視点から見るヒーロー番組の役割- [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
圓岡 偉男 ゼミ 平成19年度卒業論文
映像の伝播とその社会的影響に関する研究-メディアの視点から見るヒーロー番組の役割-
山崎 順子

今では昔よりも大人も子供も楽しんでヒーロー番組を観ている。その様ななか、30年以上の歴史をもつ「仮面ライダー」という番組が、近年になってからあちこちのテレビやラジオでその言葉を耳にするようになってきた。ここまでヒーロー番組が世の中に進展してきた理由はなんなのだろう。ヒーロー番組はなぜこんなにも多くの人に熱く支持され続けているのだろうか。本稿ではこのことを中心に考察を与える。

駅に隣接しているアリーナではよくヒーロー番組の撮影現場として使われることが多いが、その様な場で撮影風景を見ている若者や大人たちの姿が数多くみられる。そもそも撮影の時間帯は平日の昼間が多いのでその間は子供たちが撮影風景を見られるはずがない。そこでは、通りすがりの人というよりも自らの意思で撮影現場を見ているように思われる。近年、ヒーロー番組は子供(特に男の子)に強い支持を得ているはずなのに、なぜ大人たちが撮影風景を見る姿を多く見かけるのだろうか。なぜ、ここまで幅広い年代に人気が出てきたのだろうか。今、女性達の間で広がっている「ヒーロー番組に出演している俳優、特に女性達を魅了する男性俳優(イケメン)が格好良いから」という言葉だけでは言い表せない何かがあるように思える。大人たちはヒーローを通して何を見据えているのだろうか。

大人たちがヒーロー番組を見る一つの意見として、出演している俳優・ヒロインたちに魅了され、複雑に絡み合う人間関係に共感を抱き、また、子を持つ親たちは番組を通して親子で会話をとり、お互いに共通の趣味(話題)を見つけることによって近年減少してきているといわれている親子間のコミュニケーションをはかろうとしているのであると言える。このように、本稿で分析した<ヒーロー>という子供向けに作られた媒体(番組)も同様であり、それを通して幅広い年代に様々な社会的影響を及ぼしているのである。