「欧米社会における菜食主義(ベジタリアニズム)とは」 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
柴 理子 ゼミ 平成19年度卒業論文
「欧米社会における菜食主義(ベジタリアニズム)とは」
山田 康洋

ビートルズやマイケルジャクソン、ブラッド・ピット、など世界的な有名人たちには菜食主義者(ベジタリアン)が多い。世界的にみてもベジタリアンの人口は決して少なくない。宗教上で肉をタブー視している人や体質的に肉が食べれない人など理由は様々である。健康面、環境面からみても菜食主義(ベジタリアリズム)は高く評価されており世界に広まりつつあるといえる。

食料の生産にもっとも影響されているのがその土地の風土であり、寒冷なヨーロッパの一部の国々では、脂肪が多い動物の肉は人間の生存のためには必要不可欠であるとされており、従来動物性食物が食べられてきた。また海に囲まれた日本では近代化以前に、鯨などの例外を除くと農耕民族であった日本人は獣肉を食すことはほとんどなく、主なタンパク源といえば魚介類であり、魚介、野菜を中心とした食事が主流であった。つまりその土地での風土が定着し、文化となった。極端にいえば狩猟民族(欧米)と農耕民族(日本等)の違いにより、肉を食べるか食べないかを決定していた。

しかし、今日欧米では菜食主義(ベジタリアニズム)の風潮が高まっている。アメリカを例にあげると、2003年の調査ではアメリカの成人の2.5パーセントが肉、魚をまったく食べないという厳格なベジタリアンであり、一時的にベジタリアンを維持しているという人を含めると20〜25パーセントもありアメリカ人の約4人に1人がベジタリアンという計算である。またベジタリアンをテーマとして扱う雑誌や、ニュースレター、料理本、インターネットのサイトが増加しており、また動物の権利などの倫理問題についてのコースを設ける大学が増えている。

「本来肉食中心の欧米社会になぜ菜食主義が根付き、広まったのか。」この疑問が今回私が卒業論文にしようとした一番の理由である。