現在、地球温暖化問題については、新聞やテレビの報道などを通じて誰もが認識する問題となった。最近では映画などでも環境問題を題材とした作品も多く見られ、その多くが一昔前のSF映画のような内容ではなく、実際に地球上で起きている事実に基づいて作られている。温暖化問題は映画の中の世界ではなく、現実のものとして私たちの生活とより身近なものになってきているのだ。こうして温暖化によって引き起こされる被害は甚大なものであり、早急に対策をうつ必要がある。
国際的な取り組みの代表として2005年2月、京都議定書が発行した。これを受け、国内でも具体的な温暖化対策を進める気運が高まりつつある。しかし、人々の問題意識とは裏腹に、地球温暖化問題への具体的な対策はあまり進んでいない。また、企業の経済活動や個人の日常生活に目を向けてみても、大方これまでと変わらない生活が続いているように感じる。その中には、このままでは破滅へ向かうと認識していながら、変化を起こすことを避け現状に安住している人もいれば、何をしていいのかわからない人もいるだろう。
本論文は、そうした温暖化問題の現状とそれによってもたらされる被害予測、そして国際的な温暖化交渉の性質と、京都議定書を中心に現在の温暖化対策を示し、本当に効果的な対策がとられているのかを検証していく。そして、最後に自分なりの温暖化対策の将来の方向性を示していければと思う。