これまで研究室では,画像処理プログラムSIPSを使用してクラックの抽出に関する研究が行われてきたが,それぞれ処理の結果に差が出てしまっていた。
本研究では,研究室で開発されたSIPSを改良して,携帯電話のカメラで撮影したクラック(罅割れ)を含むコンクリートの画像から、クラックをより忠実に検出し,結果に差が出ないプログラムの開発をすることが目的である.なお,SIPSを更に改良したSIPS改を使用して,画像内からクラック抽出を行っている.
クラックの抽出方法は、原画像に様々な閾値で二値化を行い、太線化・細線化,クラック同士を連結・簡略化させ、隠れているノイズを検出する.そして各処理がなされた画像にメディアンフィルターを行い、ノイズを取り除き、クラック部分のみを残す.最後に原画像と各処理がされた画像を検出し、原画像のどの部分にクラックが存在したかを明らかにする。
しかし,結果として原画像と処理された画像を検出した場合、ノイズも同時に検出されてしまい、メディアンフィルターをかけた場合、大きさが1のノイズしか取り除けないことがわかった。