騙し絵・錯視の研究と創作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
笹間 宏 ゼミ 平成19年度卒業論文
騙し絵・錯視の研究と創作
中村 陽介

錯視とは視覚に関する錯覚のことである。例えば、大きさの等しい扇形の図形を上下に並べると、上の図形よりも下の図形のほうが大きく見える。錯視にはさまざまな種類があり、面積や長さの大きさに対して効果があるもの、角度に対して効果があるもの、湾曲して見えるものなどがある。

騙し絵はこのような効果を芸術として作品の中に取り入れたものである。騙し絵には、無意識のうちに実際とは違うように見える作品と、意識して見れば違う絵に見えてくる作品の2種類があり、代表的なものとして、立体的に見える平面画像、3次元ではありえないものを表した2次元画像などがある。

本研究では、独自に錯視、騙し絵の作品を制作することを目的とした。まず,先行研究でなされている錯視や騙し絵について調査研究を行い,既存の錯視効果と独自の錯視作品に対して、実際に人が見た場合どのように感じられるかアンケート調査を実施した。アンケートの結果から,より効果的な錯視,騙し絵の最終製作を行った。

アンケート調査では、独自の錯視作品に対し思うような結果が得られなかったため、最終製作ではその改良を行った。改良するに当たっては、比較対象の数に着目した。比較対象が多くなることによって、見え方に変化が起こりにくくなってしまったのではないかと考えたからだ。そこで比較対象を減らす処置をしてみたところ、効果が上がったように感じられた。

騙し絵の最終製作は、過去の作品などからヒントを得て作成した。誰が見ても分かるように、なるべくシンプルで伝わりやすいものに仕上げた。

これらの創作を行うに当たって最も大切なことは、変わった視点で物事を捉えることである。それこそが新たな発想に繋がっていくのである。