チームでのゲーム製作にと、そのプロダクト・ディレクション・販売についての研究 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
中島 淳 ゼミ 平成19年度卒業論文
チームでのゲーム製作にと、そのプロダクト・ディレクション・販売についての研究
八代 裕介

『ゲーム製作は、大人でないと出来ない』。

ゲーム製作というと、子供の心を持った発想でないと楽しいものが出来ないと思われがちである。その言葉自体は間違っていないが、少し言葉が足りない。

締め切り・スケジュール・会議等、個人ないしチームでもこれらは絶対に付きまとうものである。そこに『金』が絡んでくるのだから、きちんとした『大人』でないと完成までたどり着く事など不可能なのである。

現実的に言えば『製作資金・期間の範囲内で出来る最高のもの』にとどめる事ができればゲームは完成する。逆説的に言えば『完成するよう内容を劣化させること』である。

だがしかし、理想は『誰が見ても凄いと思う内容』である。要はそれをどこまで妥協出来るのかである。失敗しがちな例は、クオリティを求めすぎて資金・モチベーションが持たなくなるパターン。自分の経験に合った環境・期間に即してない場合なのである。

よってシナリオライターやデザイナー等に求められる事は『ハイスピードかつ高品質』。そして日々『短期間での品質限界』を高める努力をする事なのである。

またゲーム製作を監督・管理する者に求められる事は、『作りたいものとユーザーに対して受け入れられるモノの兼ね合いを調節する事』、『製作環境・進行の効率化』、『実際に素材を作るクリエイター達の理解』である。

どんなに自分が素晴らしい企画だと思っていても、他人に理解されなければ意味が無い。どんなに良い技術を持っていても他のメンバーと連携が取れなければモチベーションが持たない。どんなにいい人材を集めても、無茶を言っては完成等するわけがない。

『自分の通したい気持ち』と『人の言う事を納得して理解する気持ち』の相反する二つの気持ちをきちんと使い分ける事が『子供』と『大人』の違いである。ワガママを言ってばかりでは他人はついてこない。自分の意見をしっかり持っていないと、良いものは作れない。プロセスで言うなら、自分の気持ちを伝え、その結果返ってきた答えに対し反省をする。そしてまた自分の意見を述べる。その繰り返しをする。そしてその度に勉強や努力を重ねなければならない。

つまりゲーム製作は子供の心を持った大人でないと作れないのである。