「"アニメーションの影響"と扱われた事件」 に関するメディア報道の研究 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
中島 淳 ゼミ 平成19年度卒業論文
「"アニメーションの影響"と扱われた事件」 に関するメディア報道の研究
加藤 貴之

2007年9月18日に起きた京田辺警察官殺害事件の一連の報道の中で、事件発生に影響を与えたものとしていくつかのアニメーション番組が紹介された。そして、この事件報道を受けて、名指しされたアニメーション番組を含め複数の番組が放送中止になったのである。この事を知ったとき、私は最初「またマスコミのアニメ叩きか」と思ったが、次に「これは一種の規制なのか」という考えに変わり、「そういえばこういうのは前例があるのかな、そういえば昔ポケモンショックってあったよな、大騒ぎになって放送も中止になって・・・」と続き、「こういった現象を詳しく調べてみるのもおもしろそうだな」と思い立ち卒業論文のテーマに選んだのである。

日本のテレビ・アニメーションの歴史は手塚治虫が制作した「鉄腕アトム」に始まり、実に多くのアニメーションが制作・放送され、現在では日本国内だけでなく海外でも放送され、各国で好評を得ている。しかし、その一方ではアニメーションの描写や演出の内容に対して以前から多くの問題点の指摘や規制が行われてきた。特に最近ではその動きが激しく、アニメーションの放送自体が取りやめられるという事態まで起きている。本論は、このようにアニメーションへの規制が次第に高まってきている現状を前出の事件報道を調査した上で、アニメーションが規制される現状が今日に至るまでの経緯、各報道メディアでの扱い、及び今後の展望について論ずるものである。