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伊藤 敏朗 ゼミ 平成19年度卒業論文
情報大ステーション2006 第13回『本を届けて45年』制作
坂本 正夫

この作品は、千葉市中央図書館が運営している移動図書館「いずみ号」による、地域図書館サービスについて紹介したものである。

移動図書館はブックモビルとも呼ばれ、大型の専用車両に貸し出し用図書を満載して、千葉市内で図書館が設置されていない地域を巡回することによって住民に図書館サービスを提供するというものである。

番組では、千葉県立若松高校放送部の二人の生徒がレポーターとなり、最初に千葉市中央図書館を訪問する。同館図書館員の案内により、館内の充実した蔵書構成、地下の集密型書庫や自動出納システム、そして図書の貸し出しサービスの流れなどについて説明を受ける。配本室では中央図書館を中心に、市内の図書館分館がネットワークされていることが示される。

高校生は、同館の車庫から、移動図書館「いずみ号」が出発するのを見送ると、別の車に乗ってその後を追う。「いずみ号」は、住宅街に入ると、拡声器で到着を知らせる。この日、最初のサービスステーションである若松台西公園に到着すると、車体の各所の蓋が開いて本棚が現れ、またたくまに小さな図書館が出来上がる。「いずみ号」の到着をまちかねていた地域住民たちがさっそく「いずみ号」を取り囲み、楽しげに本を選んだり、借りたりする。高校生も「いずみ号」に乗りこんで、その構造を見る。そして専用のハンディ端末を使って実際の本の貸し出しサービス行なう様子をデモンストレーションしてもらう。「いずみ号」はその日、さらに2つのサービスステーションを巡回し、高校生も移動して利用者や図書館員にインタビューを行う。スタジオに戻り、レポーターは初めて触れた移動図書館のサービスの重要性について感想を述べ番組をまとめる。

今回の番組は図書館の仕事の裏側から紹介するというかたちのものであったが、図書館という機能を大きな枠組みをどう伝え、その中にあって、45年間も続いてきた移動図書館サービスというものをどう位置づければ、視聴者にとってわかりやすいものとなるのか、ということに留意しながら番組を製作した。

この作品の評価については、「公共性があり、本離れしている現代生活にとって良い番組」というものが多かった。また、「本を届けて45年というタイトルからもっと苦労話や行ってきていることを知りたかった」という意見もあった。このような評価があったのも、この番組を通して図書館に対する興味、面白さが伝わり、視聴者に図書館の重要性が伝わったからではではないかと考える。

この番組を通じて多くの人と接し、お話しが出来たことは、私にとってとてもいい社会勉強になったと思う。番組を作るということは一人では決して出来ないことだと思った。今回は仲間や先輩たちにアドバイスをもらい作品を完成させた。こういった体験を自分の糧にし、もっと自分自身を高めていきたいと思った。