情報大ステーション2006第12回『車椅子バスケットで全国2連覇』の制作 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
伊藤 敏朗 ゼミ 平成19年度卒業論文
情報大ステーション2006第12回『車椅子バスケットで全国2連覇』の制作
碓氷 貴子

この作品は、2005年度の情報大ステーションでもとりあげた車椅子バスケットチーム「千葉ホークス」の、その後の活躍ぶりとともに、その躍進を支えている市民や関係者を紹介したものである。

今回の番組では、「千葉ホークス」を支える存在として、競技用車椅子の専門メーカーの工場や、競技大会でボランティアとして協力している地元中学生、試合を盛り上げ応援する多くの市民にもスポットをあてた。

「千葉ホークス」は、車椅子バスケットでは全国屈指の強豪チームであり、試合や練習活動を通じて、障害者がスポーツの素晴らしさや自らの可能性を発見し新たな目標を追求していくというだけでなく、地域との交流を深め、障害者スポーツへの理解・普及を図るためのイベントや、福祉教育などをテーマにした講演を行うなど、幅広い活動を行っている。

作品では、まず、2006年3月12日、浦安市総合運動公園体育館で行われた「第3回ザバスカップ」における「千葉ホークス」の試合の模様と、それを応援する市民たち、そして大会運営をボランティアとして支えた浦安市立富岡中学校バスケットボール部の生徒たちの姿を紹介した。この試合の合間のエキシビションでは、市民による車椅子バスケットボール体験が行われた。番組レポーターの奈良美紗子さん(情報大4年)が、自ら車椅子に乗ってバスケットに挑戦し、その難しさを身をもって体験することで、選手たちの運動能力の高さを知る。

次に、奈良さんは、千葉市若葉区中田町にある競技用車椅子の専門メーカー「OXエンジニアリング」の工場を訪れ、車椅子が製造される過程を見学し、工場で働く方々にインタビューした。

最後にカメラは、2006年4月29日と30日、千駄ヶ谷の東京体育館で行われた「内閣総理大臣杯争奪第35回記念日本車椅子バスケットボール選手権大会」における「千葉ホークス」の準決勝・決勝の模様を追う。そして、みごとに全国2連覇を達成した選手へインタビューし、応援に来た人々や、応援団長の青木千恵子さんにインタビューする。

この作品で伝えたかったことは、「千葉ホークス」の活躍は、選手たちの努力ももちろんではあるが、周囲の多くの人々からも様々な形での協力や支えがあるということであり、同時に、市民もまた「千葉ホークス」の存在に支えられているということである。車椅子バスケットボールの魅力、そして、そこに情熱を注ぐ市民の方々の姿を紹介することで、障害者スポーツというものへの理解や関心が深まることを願い、この番組の制作に取り組んだ。そのためには自らが体験してみることも大切であり、今回の学生レポーターによる車椅子バスケットボール体験は、とても貴重な機会であった。競技用車椅子の製造工場への取材を行ったことも、番組を説得力のあるものにできたと考えている。

今回の作品では伝えたい情報が多く、その全てを限られた時間内におさめることが難しかった。「千葉ホークス」を支えているのは、大会ボランティアの中学生や応援団の市民だけでなく、実に多くの人がおり、取材したものの編集で割愛せざるを得なかったのは残念であった。また、車椅子バスケットボールの激しい試合ぶり、選手やボールの早い動きにカメラが追いつけないなど、撮影・編集での苦労も多かった。

この作品の評価については、「車椅子バスケットの魅力や大変さを知ることができた」、「車椅子の製造工場を見学しているのは面白い」というものが多かった。また、「初めて観る人のために、千葉ホークスについての説明がほしい」という意見もあった。昨年に引き続き、二度目となる「千葉ホークス」の紹介であったため、このチームについての説明は最小限にとどめたが、どのような視聴者にも理解してもらえる番組作りが大切であることを考えさせられた点であった。

この作品の制作を通じて、障害者という言葉にくくられず、選手一人一人が活き活きと活躍している姿を見たことで、今まで抱いていたある種のイメージは、私の中で一変したように思う。そして、選手と市民が親しく交流している姿を見て、よいコミュニケーションが行われていれば、両者の隔たりなどまったく意識されないものだということが理解できた。そのようなことを深く学ぶことができたことに感謝している。