蓮華王院三十三間堂 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
乾 照夫 ゼミ 平成19年度卒業論文
蓮華王院三十三間堂
桐山 ゆきえ

千手観音の手は42本である。それが果たして何故『千手』と呼ばれるのか。それは、観音の手1本が25種の世界で救いの働きをするとされているからだ。つまり、中央の合掌手を除く40本の手×25で1000となる、というわけだ。また、『千』とは単なる数学的な数を表す数字ではなく、無量・無数という数量的無限を示しているともいう。千という数は人々を救うといわれている観音の優しさの象徴であり、千の手それぞれに付いた眼を通して、世で苦しむあらゆる人々に救いをもたらす。千手観音とはそういった仏像である。その逸話を知ったことが、私が仏像に興味を持ったきっかけだった。

千手観音を調べるにあたり、私は京都にある三十三間堂にスポットを当てた。堂内に祀られている千体仏の千手観音は圧巻の一言であり、一体一体の顔が違うこともあり、千体仏の中に自分に似ている像が必ず一体はいる---こういう話を耳にした人も多いだろう。千体仏のほかにも、中尊である千手観音坐像、千手観音の眷属である二十八部衆、風神、雷神と、三十三間堂内には様々な仏が祀られており、その一体一体がとても興味深いものである。

千手観音イコール三十三間堂と結びつけてしまうのも安易ではあるが、調べやすさを考慮し、結果、千手観音について、もとい、『蓮華王院三十三間堂』を私の卒業論文のテーマとすることにした。