中田英寿〜20年間の軌跡〜 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
乾 照夫 ゼミ 平成19年度卒業論文
中田英寿〜20年間の軌跡〜
飯塚 慶太

本論では、2006年W杯を最後にサッカー界から退いた中田英寿の、決してテレビでは見ることのできなかった内面的な部分や明かされていない真実、そして、29歳の若さで引退を決断するまでの苦悩の日々と、秀逸なサッカー人生を、小学校から世界に挑戦するまでの活躍ぶりを踏まえて論じている。

中田英寿を知ったのは、彼が初めて日本代表に選出された時だった。その時はすでに日本の中心的存在として若手ながらチームを引っ張っていた。当時の中田は、報道陣に対して愛想が悪く、単調にコメントをしていた。テレビの中の中田はいたってクールだった。試合になれば、一際目立つ存在感でピッチを駆け回る。中田の代名詞である「キラーパス」に誰もが魅了されていた。クールで寡黙なイメージとは反面に、誰よりも声を出し、常に選手たちに怒声を浴びせてきた中田は、いつしか試合中のチームにおける監督のような存在に位置づけられていた。日本サッカーを牽引してきた男の突然の引退には衝撃を受けたが、中田らしい引き際だったのかもしれない。このような、他のサッカー選手とは違った風格、感性を持つ中田に私は前々から興味があり、卒業研究のテーマに選んだ。