iモードの登場以降、急速に普及した「ケータイ」の加入者数は、18年度末で9671万人に達し、10年で約5倍に急伸している。「ケータイ」の技術の進化とともに、「ケータイ」を使った犯罪やいじめなどの問題、中高生における出会い系サイトの利用など様々な問題も起っている。特に近年は、学校裏サイトによる匿名の誹謗中傷書き込みがいじめを引き起こす要因となっていて、ネットいじめによる自殺者が出る事態になっている。個人が不特定多数の人に、匿名で情報を発信できる「ケータイ」のインターネット機能は、その使い方を誤ると様々な問題を引き起こす。本論文では、「ケータイ・インターネット」を使ってどんなことができるのか、子どもたちはどんなことをしているのかその利用実態と現状を見ていった。
2008年からは、18歳未満の子どもが「ケータイ」持つ場合には、有害情報サイトへのアクセスができないようになる「フィルタリング・サービス」に保護者が利用を拒まないかぎり原則加入させられるようになった。しかし、この「フィルタリング・サービス」の原則加入にはいくつか問題があることがわかった。今後、フィルタリングによって子どもが有害サイトを通じて犯罪に巻き込まれるケースの減少につながるのかは疑問である。