アカデミー賞など数々の賞を手中にしてきたビリー・ワイルダー。なぜ彼の作品は、これほど人々の評価を受けるのだろうか。他の監督の作品とどこが異なるのか、その魅力を見ていく。彼の作品を調べていく内に、往年の名女優であるオードリー・ヘプバーンとマリリン・モンローの二人がそれぞれ主演をしていたことがわかった。彼女達のイメージと言えば、洗練且つ純朴なヘプバーンにセクシーであるが幼さの残るモンローと二人の世間の印象は異なる。その彼女達をワイルダーは、どのようにして映画を撮ったのか。また他の作品とを見比べて、ワイルダーの独特な手法を紹介していこうと思う。
まずワイルダー映画の原点は脚本にある。それは監督自身が脚本家を経て、映画監督になったからだ。彼の師であるエルンスト・ルビッチ監督を紹介していき、ワイルダーがルビッチの手法やセリフ遣いなど、影響を受けた共通点の比較をする。次にヘプバーンとモンローがそれぞれ主演をした作品と、ワイルダーが手がけていない彼女達の作品の魅力も伝えていく。
ワイルダー作品には、最初に観て気づかなかったことが2回目、3回目と観ることで、発見をすることができる。もしかしたら、これはメッセージではないかと想像をしてみたりしても面白いし、もちろん純粋に映画自体を楽しむことも可能だ。ワイルダーの作品が長い間愛され続ける作品になったのは、おそらく観客に対して飽きさせない仕掛けを、多様にわかりやすく使用したからではないだろうか。