最近、個人情報が流出したという事件の報道を耳にすることが多くなった。従来こうした流出事件はウイルスによって引き起こされていた。現在では、ウィニーを媒介として個人情報が流出するケースが相次いで起こっている。ウィニーとはファイル共有ソフトの一つであり、無料で音楽や映画のファイルを得られることから使用者が急増した。そのウィニー上でファイルをやり取りする際に、ウイルスが混ざっている場合があり、それを気が付かないで開いてしまうと感染し、情報が流出してしまう。流出した情報の中には企業や政府の機密情報に近いものも存在し、一度流出した情報がインターネットの性質上取り戻せないことから社会問題にもなっている。
こうしたウィニー問題は個人情報問題を考えると避けて通れない問題である。しかし、逆に考えれば、ウィニー問題を解決することができれば、個人情報問題を解決することになるかもしれない。この論文を通して、ウィニーによる個人情報流出問題をどうなくしていくか、その要因と対処法について考えていきたい。