人に癒しを想起させる音楽のスペクトルの傾きの特徴について [東京情報大学] [情報文化学科] [平成19年度卒業研究概要集] [平成19年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
西村 明 ゼミ 平成19年度卒業論文
人に癒しを想起させる音楽のスペクトルの傾きの特徴について
高木 俊一

一時期社会現象にまでになった「癒し」。特に、音楽というジャンルにおいて活発であったそれは今ではヒーリングミュージックと呼ばれ、現代人に認められている。世間で販売されている、聴くだけで「癒し」効果があると謳われている音楽は数多くある。しかし、どのような作用により、癒し効果が得られるかは実証されておらず、本研究では市販され癒しを謳う楽曲に物理的特徴を求めていった。

物理的な特徴の検証方法として、B.P.M(テンポ)、1/fのゆらぎ、楽器の種類等あるが、「癒し」感という心情には、スペクトルの「傾き」と呼ばれる物理的特徴が関係しているという先行研究を参考として本研究を進めていった。

癒しを謳う楽曲の傾きと音の強さの時間変化、傾きの平均を分析し、それと他ジャンルの楽曲と比較することにした。

結果、癒しを謳う楽曲は、傾きの平均が非常に小さく、傾きの時間変化が非常に激しいことがわかった。よって、「傾き」の特徴は、「癒し」を謳う要因の一つと考えられるものとなった。また、傾きの時間変化は、癒しを謳う楽曲では楽曲ごとに大きく異なることもわかった。