私は、学外活動として映像作品を他人に対して発表する機会があった。音・映像という、人の視覚・聴覚に依存する情報を、他に対して発信することをしてきた。そこでは、自身が求めること(自身が感じたその場の雰囲気・考え方の共有)を他も理解してもらう事が最大重要項目となっている。それは、日常生活における人との関係にも言えることである。
私たちは、人と人との関わりのなかで生きている。それにおいては、コミュニケーションが最も重要であり、私たちの生活をより円滑に機能させる役割を果たしている。便利になった今日では、以前と異なり顔の見えない関係が多々見受けられるようになった。それは、動画や静止画、音、テキスト情報といった極々限られた情報源からコミュニケーションが確立し相互理解を深める結果にいたっている。「自身が求めるものを相手も理解する・理解しやすいよう導く」という仕組みが出来た賜物である。
しかしながら、日々情報というものは増大し、複雑に絡み合う。私たちを理解に苦しめるのだ。そんななか私たちは他人に対して、とある事柄を大勢に理解してもらうため、限られたツールを利用し情報を発信している。それがWEBである。今日のWEBにおいて、技術は格段に向上し日々発展している。様々なアプローチを相手に対して可能になったのだ。そこで必要となってくるのが、膨大な情報をいかに相手に分かりやすく伝えるかにある。ツールは日進月歩で発展する技術により多機能なものが多く存在する。では、その最も相手に自身の意図する事を理解させる手法はなんなのだろうか。
それを解明するにあたって、コミュニケーションとは一体何なのかについて調べる必要がある。その結果、それに必要な要素をピックアップ。そして、WEBに対し私たちのコミュニケーションの共通項を導き出す。つまり、WEBにおける要素の音(音声・音楽・効果音=聴覚)と像(動的・静的・色・文字=視覚)がコミュニケーションにおける要素とのイコール関係を解明する。本研究の命題は、今日のWEBにおける最善の要素を解明し、検証することにある。
第一章では、その知覚について述べている。知覚のなかでも、視覚と聴覚おける認識のプロセスを述べる。
第二章においては、第一章における視覚・聴覚の認知科学に基づく関係性、そして、使いやすい・理解しやすい情報デザインを解明する。
第三章においては、上記を踏まえたうえでのコミュニケーションという相互理解における、必要要素を述べる。
第四章においては、それらのWEBにおける有用性を述べる。