PCやテレビ、ゲームなど目を酷使する環境にある現代社会において、視力低下が社会的問題であり、眼鏡又はコンタクトレンズを利用する者が年々増加している。そのため社会において眼鏡は視覚補助の為の医療器具として現代社会の人々にとって必要不可欠なものである。
そしてかつて日本人にあった眼鏡のイメージといえば「がり勉」「内気」「硬い」など負のイメージが強くあった。そのため自身のイメージを気にして、眼鏡を使用するのは必要最低限に抑え、なるべく日常生活の中では使用することを避けていたの者も少なくはなかった。
しかし現代では、眼鏡は視覚補助の為の医療器具として目の悪い人々に利用されるだけでなく、生活を送るに対し特に問題のない視力を持ち合わせている人々にも利用されるようになりました。それは人々が眼鏡を、ファッションとして楽しむ道具として認知してきたからである。販売されるフレームのデザインも多彩になり、値段も学生が購入しやすい価格まで安くなった事で、視力に特に不自由のない人も手軽にファッションとして利用されるまでになった。ファッション誌や写真集にも眼鏡は取り上げられるようになり、魅力に引き付けられた人々のあいだでは、洋服のようにいくつもの眼鏡を所有する人も増えてきている。また、高年代の人々にとって眼鏡というものものは、視力矯正の道具としてだけではなく自らの個性や富の象徴として使用しているものもいる。
本論文では現在のように眼鏡が様々に価値観を持ち、自由にデザインを選べるようになるまでにはどのような歴史があったのか。そして眼鏡に変化をもたらした産業の発展と社会変化はどのようなものだったのか読み解いていく。