2003年7月、それまで名前も知られていなかったバンドが急に売れ始め、世間を賑わした。沖縄出身の六人組「オレンジレンジ」である。セカンドシングル「上海ハニー」で突如売れ始めた彼らの勢いは全く衰えることなく、現在でも出す曲すべてがヒットチャートを記録している。中高生の女の子を中心に絶大なる人気を持つオレンジレンジ。しかしそのファン層は広く、ライブでは親子連れや男の子同士で来ている人も見かける。
その反面、『アンチオレンジレンジ』も多いのが現状だ。アンチとは「否定派」のことであり、つまりはオレンジレンジを嫌う人々のこと言う。盗作疑惑も浮上する中、彼らの楽曲が売れるほどにオレンジレンジの存在を否定する人も増加した。
オレンジレンジに完全に魅了されているファンと、彼らのすべてを否定するアンチ。しかし、こんな状況下で圧倒的なパワーを見せ付け、改進していくこのバンドの魅力とは一体何なのだろう。私がこのようなテーマに興味を持ったのは、私自身がそのファンの一人だからである。
オレンジレンジがデビューしたばかりの頃、そのバンドの存在を知り興味を持った。しかし、その頃は楽曲を購入するまでには至らなかった。自分がどのようなタイミングで、オレンジレンジのどういった所に惹かれたのか、はっきりと挙げることが出来ないのが私の現状であった。
オレンジレンジというバンドの存在は、今では日本中に広まり、海外にまで足を伸ばしている。だが、彼らの魅力は果たしてどのくらい伝わっているのだろう。そもそも、彼らの魅力とは?まずはファンである自分自身が理解したいと思い、このテーマを選んだ。
この論文では、まず、オレンジレンジについて紹介した後、2006年4月に発売されたコンプリートマガジン「BLOOD ORANGE」を主な参考資料とし、2002年から2005年までに発売された曲を対象にメンバーの音楽に対する気持ちの変化を探り、研究した。