私は、一番身近にいる存在である『専業主婦』を取り上げていき、女性が感じている社会的な差別を考えていきたいと思っている。
では、なぜ『専業主婦』なのか。それは、女性は結婚する=仕事を捨て家庭に入ると考えられている。確かに、望んで専業主婦になる女性も存在する。しかし、結婚したら家庭に入り育児に専念する事が一般的だと思われている。
現在の社会においては、共働きやシングルマザーなど女性の働く環境が整いつつあると考えられる。しかし、共働きをする家庭があったとすると、育児休暇はどちらが取るだろうか?一般的に考えて、女性が取ると考えるのでは無いだろうか。その期間、女性は仕事を置いて育児に専念する。要するに、家庭に入る事になるのである。専業主夫の存在もあるが、専業主婦に比べればまだ少数である。
一方、男性は家庭に入る機会が少ないと感じている。男性が結婚する=家庭に入らず、仕事で稼ぎ養っていく。これが、一般的だと思われる。
では、なぜ女性が家庭に入り、男性が社会で働く事が一般的になってきたのだろうか。専業主婦が誕生した社会的背景には、何があったのか。など考える必要がある。また、現在ではどの様な状況にあり、今後はどの様になっていくべきなのかを考察していく。
第一章では、これまで行われてきた専業主婦を巡る論争などを論じていく。そこから、先に述べた様に社会的背景やどの様にして、専業主婦というものが誕生したのかなどを中心とする歴史を論じる。
第二章においては、現在の専業主婦にはどの様な形態があり、法律的にはどのような問題点があるかなどを論じていく。
第一章で踏まえた歴史と、現在では異なる点を考えていく。
また、本論では、パート労働をしている女性を、専業主婦として扱う事にする。兼業主婦というものは、男性と同じ時間だけ働きその後に家事労働を行う女性の事を指すのだと考えるからである。
第三章では、他国ではどのような主婦が存在するのか、又は、主婦という考え方が無い国ではどの様な考え方が根付いているのかを論じていく。
欧州やアジアの国々と、日本との比較も行い日本が今後、他国から何を学んで実践すべきなのかを論じる。
資料は、女性学やジェンダーについての文献を多く扱っていく。現在の主婦像を知るために新聞連載のコラムなども扱っていく事にする。そこから、専業主婦がどの様な立場にあり、社会への要求を具体的な例を挙げて論じていく。