本論文では、フィリピンの漁業が抱える問題を取り上げ、環境保護と経済的自立のためにNGOなど国際協力機関やどのような活動を行っているのか、また今後国際機関やフィリピン政府にどのような対策が必要かまとめている。
フィリピンはスペイン、アメリカ、日本の支配を受けてきた歴史を持っている。1章では、その植民地時代に出来た大農園の制度、独立後もその制度によって苦しんでいる農民生活や貧しい漁民の生活などフィリピンの貧困について論じている。
フィリピンでは既知の500種のサンゴのうち400種のサンゴが見つかっている程豊かな生態系である。
しかし、これらのサンゴは違法な漁業によって危険にさらされ、漁業資源が減少していることはあまり知られていない。その原因はフィリピンの貧困にある。
第2章では貧しい漁師が生活のために行っているダイナマイトやシアンを使った違法漁業とマングローブを切り開いて作られた養殖池で行われるエビの養殖などフィリピンで行われている漁業の問題について取り上げている。
3章ではフィリピンの海洋資源や環境の保護と経済的自立のためにNGOなど国際協力機関やどのような活動を行っているのかを取り上げ、終章では問題や課題を踏まえ今後、国際機関やフィリピン政府にどのような対策や改善策が必要か検討した。