「戦後の日本社会とプロ野球人気の推移」 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成18年度卒業研究概要集] [平成18年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
柴 理子 ゼミ 平成18年度卒業論文
「戦後の日本社会とプロ野球人気の推移」
菊田 裕二

筆者の研究目的は、最近のプロ野球人気が本当に凋落したかどうかを調べることである。その実態を調べるためにプロ野球の歴史の本や野球関連の本、新聞など様々な資料を使いながら調べていく。

まずプロ野球が生まれた背景を簡潔に述べる。

明治初期に日本に入ってきたといわれる(1872年説、73年説など諸説ある)野球が全国に浸透していくのは、東京大学の前身である開成学校でのアメリカ人教師による学生への指導が強い伝播力になったというのが定説になっている。卒業した学生たちが教師として各地に赴任、子供たちに教え、それがネズミ算式に増えていったという。

それから約50年が経ち、アマ球界の東京六大学野球の野球熱は圧倒的な人気を得た。そんな中「本当の野球を見せたい」と、初の日米野球を実現させたのは、当時の読売新聞社・正力松太郎社長だった。それが1946年の大リーグ選抜チームで、打者にはルー・ゲーリックら一流の打者が揃った。この対戦が全国各地で大入り満員の盛況で、この日米野球の大成功がプロ野球の前身となる「日本職業野球」へのプロローグといっていい。その成功が3年後の34年、「世紀の大スター」ホームラン王のベーブ・ルースを中心とした当時「世界ナンバーワンチーム」と豪語した2度目米大リーグ選抜チーム招聘へとつながり、その「ベーブ・ルース一行」チームに刺激されて東京巨人が生まれ、一気に「職業野球連盟」(今のプロ野球と言っていい)創設へとなだれ込んでいく( )。

そこから、第2次世界大戦を挟んで、プロ野球は再開していく。

筆者は、プロ野球人気を日本社会との推移を関連付けさせながら検証し、MLB(Major League Baseball)やJリーグ等を参考・比較から研究をしていく。

本論では、日本社会とプロ野球の歴史を比較し、時代ごとに考察する。