「日本人は、どの国の人よりも自国のイメージを気にする。」と、外国人によく思われている。実際に我々日本人は、海外から来た外国人によく日本の良さや気に入ったものについてたくさん質問するという傾向があり、他の国の人と比べると特にそれが過度であるようだ。外国人にとってこの行為は不思議な行為であり、興味深いという。実は私自身も、「日本が他国の人々にどう思われているか」ということに多大な興味を持っている人間のうちの一人である。そこで、自分にとって特に気になる国の中から一つを選び、日本がどう思われているのかを深く調べてみようと思ったのが本論作成のきっかけである。そして、本論では日本に対するイメージの調査対象として韓国を選んだ。その理由としては、ここ数年にみられる日本と韓国の国際関係が大きく注目されているからである。日本と韓国との間での文化交流が盛んになり、日本ではエンターテインメントや食文化などの空前の大規模な「韓流ブーム」がおこり、日本で活躍する韓国人も増加してきた。そして韓国でも日本の漫画やアニメ、音楽などが流行し相互の文化交流は明るく友好的なものという印象がある。ところが、小泉純一郎元総理大臣の靖国神社参拝の様子などを猛烈に批判する韓国人の姿がメディアに大きく取りあげられたことに強い違和感を覚えた。韓国の日本大使館に石を投げ込み、怒る韓国人達の姿は普段の友好的態度とは正反対のものであり、憎悪の感情に満ちたものだった。そこで、この二つの顔を持つ韓国人の国民性や民族性などの本質的な部分に関する調査と、戦後から現在に至るまでの日韓の関係を歴史的背景に沿って探求する。そして反日感情のルーツを知り、時とともに変化していく韓国人の対日感情を研究していく。
この論文では、戦後の韓国を三期に分けてそのまま三章に分けて論述していく。戦後日本の朝鮮半島の植民地支配が終わり、1948年に大韓民国として独立してから日本と韓国の日韓基本条約が調印されて国交正常化する1965年までを第一章として書く。そして1965年から、日本の教科書問題が初めてとりあげられた1982年までを第二章とする。そして1982年から現在までを第三章とする。