インパルス応答を用いたヘッドフォンの周波数特性の測定法に関する研究 [東京情報大学] [情報文化学科] [平成18年度卒業研究概要集] [平成18年度ゼミのリスト] [ゼミ学生一覧]
小泉 宣夫 ゼミ 平成18年度卒業論文
インパルス応答を用いたヘッドフォンの周波数特性の測定法に関する研究
小松 拓也

ヘッドフォンやスピーカーなどの音響装置の周波数特性を調べる際に、主に利用される方法として、雑音や1/3オクターブバンドを用いた方法がある。しかし、特にヘッドフォンの周波数特性を調べる際にこれらの方法では十分な精度が得られない。

そこで本研究では、ヘッドフォンの周波数特性を測定する方法として、インパルス応答を利用した。まずは、ヘッドフォンを通して再生した音をダミーヘッドを通して録音し、そのインパルス応答を求める。そしてそれをフーリエ変換することで周波数特性を求めるという手法である。具体的な実験方法は第3章に示すが、この方法を用いて4つのパターンで実験を行い、得られたデータを比較し、この方法の測定法としての精度を検証した。なお、4つのパターンとは、密閉型ヘッドフォンを利用した場合・インナーイヤー型ヘッドフォンを利用した場合・それぞれをずらして装着した場合の4つである。

その結果、ヘッドフォンの周波数特性を捉えることができ、インパルス応答を用いた測定法は、ヘッドフォンの周波数特性を求めるために有効であるということが確認できた。また、測定法としての精度も高いことがわかった。しかし、今回の実験でわかったことはこの測定法単体の精度であり、雑音や1/3オクターブバンドを用いた方法との比較ではないため、これらのデータを比較した測定精度を検証することが今後の課題である。